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ケータイサイト「芸能裏チャンネル」今井舞連載より転載。

沢尻「ファースト・クラス」のウソ(今井舞)

2014/05/01 05:58:07

沢尻エリカ主演で

女性誌の世界のドロドロを描いた

ドラマ「ファースト・クラス」。

企画盗ったの盗られただの

モデル同士のバチバチ、

編集部に渦巻く女の戦い。

……を

こんなコントみたいな

描き方されても。

テレビに出てくる

「マスコミ業界」って

陳腐なことが多いが

これは本当に

いっこも取材してないのが

丸わかり。

「企画を盗られる」ということは

実際ままあることであるが

あんな

「どうして? パソコンから消されてる!」

みたいなことはないんである。

こういう

ノーリアリティな作品を見ると

どうして取材をしないんだろう

といつも思う。

実は私も

「編集長の麻雀仲間の口利きで

女性誌の契約編集になった」

という

このドラマと似た経験がある。

「企画書」ではないが

苦労して編み出した

「簡単で撮影映えする

スニーカーのヒモの結び方」

を提案し

喜ばれ定着したものの

いつの間にか

それを提案した相手の編集さんが

編み出したことになっていた

という経験はある。

新入社員として入った人が

上司から

ものすごい剣幕で怒られている現場を

何度も見たせいで

その人が偉くなった時に

何か微妙な距離感が生まれ

声がかかりにくくなったりとか。

校了時は寿司の出前を頼むが

偉い人から食べるので

契約やバイトの頃には

カッパとかんぴょうとガリしか

残っておらず、

その残りの貴重な数貫にも

食べ終わったエビのシッポが

べったりはりついてたりして

完全な残飯状態だったりとか。

会議で頼む飲み物を

社員は領収書でオトすくせに

契約だけ

「はい、カフェラテ400円ね」

と金を取られたりする

無意味でチンケな差別とか

バイトちゃんにセクハラし

言うことを聞かないコにだけ

交通費を払わないという

コントみたいなデスクとか

やっぱり

気に入ったバイトちゃんに

いつも同じ

ティファニーのネックレス

(シルバー)

を送るので

机の引き出しに

何個も同じネックレスをストックしている

副編集長とか

少年マンガ編集部から

異動してきて

童貞の国から

いきなりヤリマンの国に

ワープしたみたいな心境に陥り

抜け殻みたいになってる

若い男性社員とか

逆に

スーツしか持ってない

オヤジ系週刊誌から異動してきた

女性社員の

ファッションの順応力の高さとか

(一週間でヘソ出してた)。

協力店の電話番号の

確認作業地獄、

それが間に合わず

ヤ〇ザの事務所を間違って掲載してしまい

編集長と菓子折り持ってお詫びとか

占いのページを担当している

オバサンの占い師さんの

ご機嫌伺いで見た

自宅の

パラレルワールドっぷり

読モのコントロールも

大変だったな。

あのドラマみたいな

「ウチの雑誌のカラーじゃないから

帰ってください」

なんてこたぁ、

もちろん死んでも言わない。

「掲載可否は編集部権限とします」

の認知徹底のもと

どんなブスでも

一応撮影。

ブスでも人を連れて来てくれるコは繋ぐ。

読モは顔より金重視で

「いかに毎月

雑誌映えするモノを買わせるか」

に腐心した結果

関西のヤ〇ザの娘だらけになって

「さすがにヤバい」と

総入れ替えが行われたり

昔金に余裕のあったころは

有名読モの

海外ロケとかもあったなぁ。

そのお守りが死ぬほど大変で

一晩中精神状態が不安定なコ相手に

恋バナと撮影のグチを聞かされたり

って、ちょっと思い出したぐらいで

こんなにネタ出てくる。

何で取材しないんだろう。

現場に携わる人と

1回ご飯食べるだけで

そりゃもういろんな話聞けるだろうに。

もう

20年くらい前の話なのに

ドラマでは

今のファッション業界の現場が

これより古い感じに描かれてる。

あんな9時5時で

夜に人がいない編集部なんて

ありえないしなぁ。

夜が更ければ更けるほど

人が増えて

お菓子や夜食の

間食デブスパイラルが始まり

食べ過ぎハイのまま

コーディネートチェックで

そのままロケに出たりするのに。

女性誌編集部が舞台だというのに

スタイリストも

オカマも登場しないって点も

ありえないし。

カリスマスタイリスト様の

のさばり方

そのアシスタント軍団の

せめぎ合い

ヘアメイクの現場に散らばる

オカマさんたちの

口の軽さ

それらが合い絡まって

いろんなことが余計ややこしくなる。

モデル同士の軋轢も

あんな

「顔合わせて火花バチバチ

みたいな単純なモンじゃなく

もっと陰湿で

もっと根深い。

書けなくてすみません。

ま、

○○ガールズコレクション

掴みあい事件などが

漏れ聞こえているくらいだから

表面的なバチバチも

あるにはあるのであるが

なんかあれ見てたら

忘れてた女性誌時代の記憶が

蘇ってきたなぁ。

あんな

木で鼻括ったような

つまんない争い方描くくらいなら

現場の人間に5分でも話聞いてくれたら

すぐに血肉がつくと思うのだが。

私でよければ

いつでもお話ししますんで。


今井のドラマ批評といえば、出演俳優をボロカスに罵るケースが多くて読むと不快になるが、今回の批評、というより自身の出版業界の実情レポは、普通過ぎてツッコミどころなし。その通りッスよ今井はん。

まぁ今井自身も、取材もせずに番組制作の実態について書き散らし、業界関係者に笑われているから似たようなものか。目糞鼻糞を笑う、レベルである。

この「ファースト・クラス」というドラマ、私は予告編をチラッと見ただけで本編は見ていないが、「マウンティング女子」なんてフレーズを売りにしている時点で、あー、見たないわ、と思った。

脚本は、BS-TBS「ケータイ刑事」シリーズなどコメディドラマが得意な渡辺千穂(羽鳥慎一の2番めの妻)だが、まぁ脚本家に罪はない。プロデューサーの感覚がズレているのだろう。

今井も書いているように、ドラマに登場するマスコミ業界は陳腐、かつ、ありえへん設定が多くて笑えるのだが、視聴者の中には、これがマスコミ業界の実情か、と信じる人もいるのだろうか。そんな奴はおらん、と信じたいが。

いわゆる”ギョーカイドラマ”の走りは、ニッポン放送が舞台の「ラジオびんびん物語」(CX、1987年)であるが、放送局、新聞社、出版社を舞台にする際は、視聴者にわかりやすくするために、”業界用語”を排して、別の言葉に置き換えることが多い。放送局なら「編成」という言葉も置き換えの対象になる。その時点で、リアリティは失われている。

出版社が舞台のドラマも多いが、ウソばっかりで噴飯モノが多い。菅野美穂主演「働きマン」(日テレ、2007年)も、いったいいつの時代の話だよ、と思った。まぁリアル過ぎる出版業界の実情を描いてもツマランだろうが。

今、ドラマで出版業界を取り上げるなら、こんなマウンティングなんちゃらの架空世界より、担当雑誌の「読者プレゼント水増し問題」で悩む障害者枠採用の女性社員の苦悩(笑)を描いたほうがよっぽど面白いと思うが、出版業界から苦情が来そうだな。