今週の週刊新潮に「『ちびくろ・さんぼ』を絶版に追い込んだ『親子』」という記事が。

1988年、名作絵本「ちびくろ・さんぼ」(岩波書店)に、大阪府堺市の「黒人差別をなくす会」(当時、堺市役所教育委員会勤務の有田利二氏主宰。会長は有田氏の妻、副会長が有田氏、書記長は当時小学校1年生だった有田氏の長男が務めた。現在の国内会員は253名、有田氏は現在堺市役所市民課勤務)が岩波に抗議文。

朝日新聞などの後押しもあり、抗議文が届いてたった4日で絶版に。「なくす会」は勢いを増し、カルピスの商標やタカラのダッコちゃん、札幌市内の「くろんぼ公園」などにも噛み付き、名称を変更させたりした。

昨年、「ちびくろ・さんぼ」は瑞雲舎という出版社から復刊。復刊について有田氏「“さんぼ”という単語自体が、明らかに黒人に対する侮蔑語です。表紙の絵を見て、心を痛めている黒人がいるという現実を知っているのかと言いたい。この本だけでなく、いまだに黒人差別がなくなっていないという現実が問題です」。

瑞雲舎の社長は「“さんぼ”という意味は、確かにアフリカ系アメリカ人にとっては差別語だが、原作の舞台であるインドではよくある名前」と。記事は「あの騒動は何だったのか」と否定も肯定もせず。

「黒人差別をなくす会」事務局は、堺市登美丘地区の有田氏の自宅。「なくす会」自体に公式サイトはないが、「なくす会」を応援?するサイトには、有田氏の自宅を撮影した写真も。

黒人に限らず、人種差別はなくさなければいけない。先日のTBS「みのもんたの朝ズバッ!」で、ボビー・オロゴンの暴行騒動を取り上げたとき、司会のみの氏がボビーについて「(顔の色が)日焼けしすぎて分からないよ」とビミョーな発言をしていたが、人の顔の色をあげつらう発言はダメでしょう。

しかし「なくす会」のような「言葉狩り」に等しい行動、ならびに抗議された側の「臭いものには蓋」的な行動は考えもの。藤子不二雄のアニメ「ジャングル黒べえ」「オバケのQ太郎」も「差別的表現がある」と封印されてしまったが、「なくす会」などは、抗議に当たって黒人の声を聞いたのかどうか疑問。抗議行動を後押ししたマスコミの責任も大きい。

最近は、明らかに行き過ぎな「抗議行動」については、マスコミも取り上げなくなったようで。口を開けた顔が「知的障害児」を連想させる、という理不尽な抗議で封印された、サンリオのキャラクター「みんなのたあ坊」も復活し、抗議された側も簡単に封印したりしない方向に行くのはいいことだと思う。

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大阪府堺市、といえば、最近は「O-157」や「セアカゴケグモ」騒動など、ネガティブな話題で登場することが多い。1月、神野町(こうのちょう)で起こった「母娘殺傷事件」はその後どうなったのだろうか?

4月には、歴代の為政者の念願である「政令指定都市」に移行する堺市。区制導入にあたって、「区名」を市民から公募したが、あらかじめ市が設置していた「支所」名が、公募結果を無視してそのまま採用されるなど「住民不在」のやり方に反発の声も。

堺市の新区名は「堺区」「北区」「西区」「東区」「中区」「南区」「美原区」だが、所轄の警察署と区名が異なる地域があり(「北区」は堺北署ではなく堺東署、「東区」は堺東署ではなく黒山署、「南区」は堺南署ではなく泉北署)混乱が予想される。消防署は、すでに「支所」名になっている。

警察は「区」が設置されたり名称が変更されても、警察署名を変えないケースも多い(例:麻布ではなく六本木にある「警視庁麻布署」は東京都麻布区→東京都港区。浦和・大宮・与野市が合併したさいたま市では、埼玉県警は「さいたま」の名は使わず「浦和西」「大宮東」など旧市名のまま)。大阪府警は変更するだろうか。

大阪府警察「堺市内の各警察署の管轄区域を一部変更します」(PDF)
http://www.police.pref.osaka.jp/15topics/images/sakai_kankatu.pdf